日々の出来事

第36回卒業証書授与式

 穏やかな天候の中、平成30年度 鹿島中学校 第36回卒業証書授与式を挙行いたしました。約40名のご来賓の方々のご臨席を賜り、約170名の保護者の方のご列席のもとで盛大に行われました。

  風もなく、朝は国旗、校旗ともたなびきませんでした。

 

 卒業証書授与では、3年生の一人一人が中学校生活を締めくくるにふさわしく立派な返事をし、校長先生より卒業証書を授かっていました。

 

 


校長式辞より(一部抜粋)

 卒業生の皆さんは、震災後の困難に打ち克ち、3年間、学校生活における様々な活動を通して、心と技と体を鍛えてきました。これらの経験は今後の礎に必ずなります。そんな皆さんに、二つのお話を贈ります。
 1つ目のお話です。ドイツの牧師さんでマルティン・ルターという方がいました。この方は、「もしも明日、世界が終わりになろうとも、りんごの木を植える。」という話をしたそうです。明日世界が終わったら、せっかくりんごの木を植えても、実りを得ることはできないですよね。この方は、未来において全て失われようとも、明日への希望を持つ一人の人間として存在したことは失われないと考えたのです。世界や周りの出来事が問題なのではなく、一人一人がどうあるのかが問題と考えました。みなさんも自分の人生に果敢に挑戦し、希望に向かって邁進してほしいと思います。
 2つ目のお話です。プロ野球の巨人や阪神、中日から、各大学の応援歌まで作曲し、音楽史上でもおおいに賛美され、業績を残し、本校の校歌も作曲した古関裕而さんについてのお話です。古関さんは福島市の老舗の呉服店の長男として生まれました。いじめられがちで気弱な少年時代を過ごしていたようです。また、少々ぼんやりしていて、周囲からはとりえのない子供と見られていました。商業高校に進学し、音楽への思いを絶ちきれない中、音楽の道に進みました。音楽について独学で学び、自分にできること、しなければならないと思ったことを一生をかけて全うしました。戦時下にあっては軍の要請で戦時歌謡を作ることに迷い、作った歌を歌いながら戦争で死んでいく人の様子に大変心を痛めたと言われています。「栄冠は君に輝く」は、自分よりも他の人に声援を送り勇気を与えたいという古関さんの思いの下、作られましたが、他にも他人を励まし応援する曲を多く作り続けました。
 この二つのお話にもあるように、皆さんも、今日、一日一日を大切にして、志をもって生きていってほしいと願っています。

 


 教育委員会挨拶では教育委員会教育長職務代理者の方より、「皆さんの前には予想が困難な社会が待ち受けています。どんな場面に遭遇しても困難に立ち向かってください。市で制作し、みなさんに配付した『二宮尊徳、富田高慶の贈り物』にも、二宮尊徳や富田高慶の生き様が書いてあります。この冊子に書いてある言葉が鹿島中学校の校舎のあちこちにあります。『至誠』や『推譲』、『勤労』や『分度』、体育館に来る途中には『積小為大』、体育館のステージの脇には『一円融合』の言葉が掲げてあります。これらの言葉の意味する通り、誠実な人間に成長し、躍進していくことを期待しています。」と、はなむけのお言葉をいただきました。

 

 来賓祝辞ではPTA会長さんより、「みなさんは、鹿島中学校での3年間を通して多くのことを経験して多くのことを学び、心身ともに大きく成長しました。ここで経験したことを活かし、これからも挑戦し続け、大きな財産となる人とのつながりを大切にし、これからも大きく成長していってください。」と、エールをいただきました。

 

 送辞では、在校生代表生徒より、「先輩方には様々な場面で支えてもらいました。先輩との思い出が今、走馬灯のようによみがえってきます。部活動や生徒会、係活動をはじめ、たくさんの場面で基本から優しく教えていただき、精神的な面でもご指導をいただきました。部活動でチームが苦しみながらも、目標に向かって諦めずに攻めていく姿は私たちの憧れで、感謝の気持ちでいっぱいです。先輩は僕たちの目標です。時にはこの学び舎での思い出を思い出してください。きっと力が湧いてくると思います。これからも自分の夢に向かってつき進んでください。」と、感謝が述べられました。

 

 

 答辞では、卒業生代表生徒より、「今、様々な、数えきれない思い出が頭に浮かんできます。勉強が徐々に難しくなって頭を抱えたこと、スポーツ大会や職場体験などの行事を通して少しずつ成長できたこと、毎日仲間と共に励まし合いながら練習し、試合の結果に悔し涙を流した部活動、そして、何よりも思い出に残った輝響祭。どの係もみんな一生懸命に取り組み、堂々と発表したり、未成年の主張をはじめ、一人一人が笑顔満開のテーマの下、一丸となって成功させたりすることができたこと。一緒に過ごした時間は家族と同じくらい長かった大好きな仲間との時間。当たり前であった友人の笑顔。一緒に過ごした日々は、明日からは当たり前ではなくなります。昨日までの日々が本当に大切に思えてなりません。これからはそれぞれ、別々の道を歩んでいきます。つらいことがあれば、鹿島中で友達と過ごした日々を思い出してください。私たちは決して一人ではないことを思い出してください。
 在校生の皆さん、この鹿島中の素晴らしい伝統を皆さんに託します。これからは新たな生徒会長を中心として、全校生で協力しながらさらによい伝統を積み上げていってください。
 卒業生114名は、今日の卒業式を新たな出発点として鹿島中卒業生としての自信と誇りを持って巣立っていきます。今まで本当に有り難うございました。

 

   卒業生と在校生が向き合い、式歌を歌いました。

 

    春の温かい天候に包まれた中での見送り


 114名の卒業生の皆さん。卒業おめでとうございました。
 これからの皆さんの将来が、幸多からんことを心からお祈りいたします。
 3年間、そして義務教育の9年間、一人一人、よく頑張りました。
 これからも、自分を磨き、高め、社会で役立つ立派な社会人となり、自分の人生を豊かにしていってください。

北校舎裏の、日差しが当たらない場所にもかかわらず、卒業生を見送るかのように咲いていたフキノトウの花