こんなことがありました。

じどうのみなさんへ(もんぶかがくだいじんからのメッセージ)

ひらがなめがねをつかってね

新型コロナウイルスが広がってから、皆さんは、学校はどうなるのだろう、この先どうなるだろうと、不
安だったのではないでしょうか。新しい学期を迎えるに当たって、皆さんに伝えたいことがあります。
まず、感染症にかからないようにするには、いくつかの方法があります。すでに皆さんが取り組んでい
るように、話をするときにはマスクをしたり、手を洗ったり、具合が悪い場合には学校を休んだりしてもらう
ことです。そして何より、健康的な生活を送ることが大切です。それでも、これまでも皆さんは風邪をひ
いたり、インフルエンザになったりしました。今はさらに新型コロナウイルスが課題になっています。
この三つは、症状がよく似ています。ですから、今後、皆さんの誰もがこうした症状を経験することが
あるでしょう。具合が悪い人の中には、新型コロナウイルスに感染したと診断される人も身近な人の中
から出るかもしれません。もちろん、それが友達だと分かったら自分は大丈夫かなと不安になることも
あるでしょう。
新型コロナウイルスには誰もが感染する可能性があります。感染した人が悪いということではありま
せん。学校やクラスの中で感染することは悪いことだという雰囲気ができてしまうと、新型コロナウイル
スに感染したと疑われることをおそれて、具合が悪くなっても、その後は言いだしにくくなったり、病院に行
くのが遅くなったりしてしまいます。そうすると、さらに皆さんの地域で感染が広がってしまうかもしれませ
ん。
感染した人や症状のある人を責めるのではなく、思いやりの気持ちを持ち、感染した人たちが早く治
るよう励まし、治って戻ってきたときには温かく迎えてほしいと思います。もし、自分が感染したり症状が
あったりしたら、友達にはどうしてほしいかということを考えて行動してほしいと思います。
すでに、感染した人達が心ない言葉をかけられたり、扱いをされたりしているという事例が起きていま
す。こうしたことが皆さんの周りでも起きないように、皆さんにも協力してほしいのです。
また、高齢者や病気がちの人は、感染すると症状が重くなってしまう危険があります。自分は元気
だから大丈夫ということではなく、そのような人たちに感染させることがないよう、思いやりの気持ちを
持ってほしいと思います。
新型コロナウイルス感染症が広がり、皆さんの日々の生活は一変したと思います。
以前のようには、友達と会いにくくなり、スポーツや文化に触れる機会も少なくなり、将来への不安や
ストレスを抱えている人も多いでしょう。
これまでも、私たち人間は、新型コロナウイルスのような新しい病気を経験してきました。そのたびに、
世界中の研究者が病気の原因を探り、予防方法を見つけたり、薬の開発をしたりしてきました。そうし
て、私たちは、病気と共存していく。この歴史は繰り返されています。新型コロナウイルスも研究が進ん
で解明されれば、予防と治療ができるようになり、新たな共存生活が始まります。
私たち大人は、皆さんの応援団として、将来の見通しを持ち、未来の社会の担い手である皆さんが
学ぶ機会、遊ぶ機会、交流する機会を最大限作っていきます。それまで、皆さんは今自分ができる
予防をしっかり行い、将来の目標を持ち、家庭や学校で日々の学びを続けてほしいと願っています。
令和二年八月
文部科学大臣萩生田光一