「区内教育施設の再開」生徒の健全な心身の育成を最優先に

先日(6月17日),小高中学校の仮設校舎2階,多目的教室で午後6時30分より,2回目の「小高区内教育施設の再開に向けた保護者懇談会」が開催されました。

2回目としましたが,各学年の保護者の皆さまがそれぞれのお考えを話しやすいようにと,市の教育委員会の配慮の下,1年生,2年生,3年生の保護者,それぞれのお立場でのお話をしていただくために,開催したものです。

小高中学校は現在,鹿島小学校の校庭の一角をお借りして,仮設校舎にて教育活動を行っております。生徒と先生方の創意と工夫で,不自由な学校生活をより充実できるよう,日々改善しながら過ごしております。

小高の本校舎での学校生活が始まったら,これまで以上に素敵な学校生活が始まるでしょう。
市の教育委員会も,「魅力ある教育活動の展開」を小高中学校,小高小学校でできるよう,現在様々な方面から実施案を検討中です。
例えば,
〇「教科や活動のなかで重点的に取組むものを・・・。」
〇「中学校を卒業するころには,英語で普通に話すことができるような力を育成できる学校」
〇「部活動種目で小学生のころより受け継がれ,中学校の舞台で花開く種目競技の推進」
など,入学に夢を持つことができるようなものはないだろうか。    などなど・・・・。

こんな学校にしたい!!という願いはあっても,それを実現するために具体的な方針を数年間,実行しなければなりません。様々な手法を試してみるもの手かもしれませんができれば,めざす方向性だけでも決めたいものです。

議題が次へ移ろうとしたときでした。

「勉強や,部活動の成績も当然大切なこと。一方で,生徒の心の育成,たのしく通うことができる学校づくりについて,しっかりとお願いしたい。」と保護者からのご意見がありました。

避難生活に次ぐ避難生活。場合によっては,原発事故以来,何校もの転校をせざるを得なかった生徒もいます。
スクールカウンセラーによる「心のケア」。それは悩みや不安を少しでも解消するためにも大切です。

しかし,真の「こころの育成」とは,いったいどのようなことなのでしょうか。
苦労や努力を重ねて成功した喜びはひとしおです。それが仲間と一緒なら,喜びも倍増します。
また,おおいに失敗もして,おおいに傷つきながら,他の痛みを学ぶ。中学生の多感な時期にこそ,豊かな心の育成ができるのだと思います。

毎日,喜怒哀楽の学校生活を送っている生徒と先生。学校で何を学ぶかがあやふやになっている昨今。「怒と哀」の部分が難しく,先生と生徒の関係がお友達化してしまったり,指導に自信を持つことができなくなってしまったりと,一般的に問題意識されている中,「特色ある学校を」について,「生徒の心の育成」に着目したご意見を保護者の方から頂きましたことは,大変貴重なことでした。

人と人とのつながりから学ぶもの。人と動物から学ぶもの。植物からも,そして大自然そのものから。さまざまな学びを織りなし,喜びや哀しみの感動から,~こころが動くからこころが育つ~。
人も,動物も,植物も,そして大自然も,やはり地域,小高という地域にこそ「特色ある学校教育」があるのかもしれません。
 
小高中学校生徒会と原発避難後に交流を深めている「静岡市立清水両河内中学校」は「学校茶園」を持ち,地域の方々との協力や様々な交流を持つ,こころの育成にとても力を入れている学校です。

小高中学校,こころが動く,こころが育つ,人が育つ,仲間が育つ,地域が育つ,そんな,小高中学校ならではの,小高の地域に根ざした教育活動を模索したいものです。